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[監修] 住環境コーディネーター他

花井 千赴

リノベーション・不動産・新築・エクステリアをワンストップで手掛ける
株式会社ユニテ 代表取締役社長

カビとは?菌との違いと発生する原因/家にカビを生やさない方法も解説

カビ

ジメジメとした季節にうっかり生えてくる嫌〜なカビ。気がついたら部屋の隅や家具、クローゼットにしまってある洋服に生えていて、お困りではないでしょうか?家の中の湿気を放置しておくとカビの原因になり、更に生えたカビを放っておくとアレルギーや呼吸器の疾患を招くことも。そんなことにならないためにも、カビは日頃の予防と、実際に生えてしまった時の早急な対策が必要になります。

そこで今回は、カビとは何か基本的なことから解説した上で、どうやって防いでいけば良いのか、実際に生えてしまった時はどう対処すれば良いかを紹介します。この記事を最後まで読むことでカビに対する理解が深まり、効果的な対処をすることができますよ。

カビとは

カビの生えた食パンの画像

カビとは菌類の一種で、真菌ということもあります。実は、カビは9万7000種類以上あると言われており、その中でも特に私たちの生活で悪影響を及ぼすのは系状菌と呼ばれるタイプ。みかんを入れているダンボールに生えてしまうカビや、パンに気がついたら生えているカビも系状菌なのです。

ちなみに、日本の食事には欠かせないお味噌やしょうゆなどもカビの力を借りて作られているのですよ。他にも、キノコもカビの一種です。そう聞くと、意外と身近に感じるのではないでしょうか。カビ=一概に悪い、というわけでもないのです。

細菌とカビの違い

よく似た印象の細菌とカビですが、その違いはDNAがある場所です。細菌は核が剥き出しの細胞の中にあるのに対し、カビは細胞内の更に膜に包まれた核の中にDNAがあります。また、カビは細菌よりも10〜20倍大きいのです。

カビと細菌はよく似た印象を持ちますが、実は結構違うものなのですよ。

家で発生するカビは3種類

汚れのついた木板の画像

家で発生するカビは主に以下の3種類です。

家に発生するカビ

①アオカビ

②黒カビ

③白カビ

ここではそれぞれのカビの特徴について詳しく解説していきます。

①アオカビ

家に発生しやすいカビ1つめには、アオカビが挙げられます。アオカビの特徴は以下の通りです。

【アオカビ】

・嫌な臭いを発しやすい

・パンなどの食品に発生する

アオカビはホコリっぽいような独特の悪臭を発生させます。また、パンなどの食品に発生しやすく、アオカビが生えている部分はうっすら青く変色しているのが特徴的です。

②黒カビ

家で発生しやすいカビ2つめには、黒カビが挙げられます。黒カビの特徴は以下の通りです。

【黒カビ】

・お風呂場や洗面所など水場で発生する

・こすっただけでは落ちにくい

黒カビは水気の多い場所で発生しやすいカビです。お風呂場や洗面所などで特に発生しやすく、軽くこすっただけでは落ちない強力なカビです。

③白カビ

家に発生しやすいカビの最後の1種類は白カビ。白カビの特徴は以下の通りです。

【白カビ】

・ふわふわとしたホコリのようなカビ

・こするだけで取り除きやすい

・飛散しやすい

白カビは軽くこするだけで除去しやすく、ふわふわとした形状が特徴的です。飛散しやすく吸引しやすいため注意が必要です。

家のカビを放置しておくと起こること

女性の画像

カビは条件が揃うと家の中にも生えますが、家のカビを放置しておくと呼吸器の疾患やアレルギー、水虫を引き起こす可能性があります。特に体の弱いお子さんや高齢の方がいる家庭は家の中にカビが生えているとかなり悪影響なので注意しましょう。

また、カビを放置することで空気が汚れ、シックハウス症候群を引き起こす恐れがあります。

近年、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。

(引用:厚生労働省 シックハウス対策のページ(1)シックハウス症候群とは)

思わぬ健康被害に繋がる危険性があるため、シックハウス症候群にも注意が必要です。

カビが発生する原因3選

カビが発生する原因は次の3つです。この3つの条件が揃うことにより、カビが発生しやすくなります。

【カビが発生する原因3選】

・湿度が高い

・温度が25度以上

・栄養が多い

それぞれ詳しく解説していきましょう。

カビが発生する原因①湿度

カビが発生する原因として、まず気にしていただきたいのが湿度です。ジメジメとした場所には非常にカビが発生しやすく、注意が必要。特に風通しが悪く湿気が滞留しやすい場所はカビが生えやすいのです。例えば窓がない納戸や、頻繁に換気をしない客間などはカビが発生しやすいため注意が必要です。

カビが発生しやすい季節っていつ?

カビが発生しやすい季節は夏です。梅雨や台風で雨が多く、かつ気温が上がりやすいからです。しかし、冬場も意外とカビが発生しやすいので注意が必要。冬場は空気が乾燥するため、意識的に加湿をしようとする家庭が多いです。感染症を防ぐ意味合いでも想定よりも加湿をしすぎて部屋の湿度が上がり、かつ暖房で部屋を暖めてしまうので、気がついたらカビが生えている…なんてことも多々。基本的には夏と冬は注意が必要です。

カビが発生する原因②温度

カビが発生しやすい条件として、温度が25度以上であることが挙げられます。通常、暮らしている部屋ではエアコンを稼働させている家庭も多いので極端に室温が上がることは少ないでしょう。しかし、初夏などはエアコンを稼働させない家庭も多いため、思ったより室温が上がりやすいものです。

カビが発生する原因③栄養

家の中に落ちているほこりや食べ物のゴミなどはカビが成長するための立派な栄養分になります。そのため、掃除の頻度が少なかったり、充分に掃除しきれないとカビが発生する原因になります。

家の中にカビを生やさない方法

「HOW TO」の文字画像

続いて、家の中にカビを生やさない方法を解説します。カビを生やさないための方法は主に次の3つです。

【カビをはやさないための方法】

・湿度を適正に調整する

・温度を25度以下に保つ

・カビの栄養分を除去する

それぞれ詳しく解説します。

カビを生やさない方法①湿度を適正に調整する

カビを生やさない方法として、湿気を徹底的に除去する必要があります。

カビが生えない程度の適正な湿度の目安としては湿度80%以下ですが、人間が快適に過ごせる湿度の目安は40〜65%程度だと言われています。そのため、カビが生える程度の湿度になると暮らしている人間も必然的に不快を感じるはず。湿度を適正に保つことは快適に過ごすことにもつながります。

湿度を適正に調整する方法としては、主に次の2つが挙げられます。

【湿度を適正に調整する方法】

・換気をこまめにする

・調湿剤を導入する

部屋の中に入り込んできた湿気を外に逃がすには換気が必要。1時間に1回程度、10分ほど窓を開けておくだけで大丈夫です。この時、扇風機やサーキュレーターを使って部屋の中の空気を循環させるように心がけるとなお良いでしょう。

湿度を調整する方法をもっと詳しくみてみたい方はこちらの記事も参考になります。

季節ごとに解説|適正な湿度は何%?ウイルス対策できる基準も解説

家の中の湿度を調整するなら調湿剤がおすすめ

家の中の湿度を調整するなら、調湿剤を設置するのがおすすめです。

調湿剤は湿気が多い時は吸湿し、反対に湿度が低い時は一度吸湿した湿気を空気中に放出してくれるのです。一度導入すればお手入れがほぼ必要なく、半永久的に使用できるのでコストパフォーマンスが良いのが特徴。引越しの際にあらかじめ設置しておくことで、嫌〜な湿気から大切な家や家族を守ってくれますよ。

カビを生やさない方法②温度を25度以下に保つ

カビを生やさないための方法として、部屋の室温を25度以下に保つことも重要です。

部屋の温度が25度以上になるとカビが発生しやすくなります。

一般にカビの発生しやすい資料の場合、温度25度のとき、相対湿度が70パーセントだとカビは数か月で繁殖し、75パーセントを越すとその速度は急激に早まり、90パーセントではわずか2日で目に見える程度まで繁殖するといわれている[Michalski2000]。

(引用:文部科学省「カビ対策マニュアル 1-4 温度・湿度データの記録と解析」より)

冬場はなんら問題ないかもしれませんが、夏場は簡単に温度が上がってしまうので注意が必要。

換気をしたり、エアコンでクーラーをかけたりして部屋の温度を25度以下に保つように心がけましょう。

カビを生やさない方法③カビの栄養分を除去する

こまめに掃除をしてカビにとっての栄養を徹底的に除去するのもカビを生やさないようにする方法として重要です。ほこりや食べ物のカス、髪の毛などは立派なカビの栄養に。毎日のお掃除はもちろんのこと、気がついたら拭き掃除をするなど部屋を綺麗に保ち、カビの栄養になりそうなものは部屋から徹底的に除去するこころがけましょう。

家の中にカビが生えてしまった時の対処法

掃除をする女性の画像

家の中にカビが生えてしまった時は次の方法で除去をしましょう。

【家の中にカビが生えた場合の対処法】

・洗剤で洗浄してエタノールで消毒

・カビ取りクリーナーで除去

カビを除去するには上記の2つの方法がありますが、部屋の壁や家具にカビが生えてしまった時は洗剤で洗浄してからエタノールで消毒、お風呂場やシンクなど水気のある場所にカビが生えた時はカビ取りクリーナーで除去すると良いでしょう。カビは生えてしまったらすぐに除去する、を心がける必要があります。

お家のカビ予防には【炭八】がおすすめ!

【炭八】の画像

お家のカビを手軽に予防するなら、調湿木炭【炭八】の使用がおすすめです。炭八は針葉樹からできている調湿木炭で、お部屋の湿度に合わせて湿気を吸ったり吐いたりすることで常に快適な湿度を保ってくれます。置いておくだけでカビの原因となる湿気を除去できるため、簡単にお家のカビ予防をしたい方に最適なアイテムです。

カビの無いキレイなお家で過ごそう!

カビは家の中に放置しておくと、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。呼吸器の疾患やアレルギーを引き起こし、人体に悪影響をもたらします。そのため、カビが生えたら早急に取り除く必要があるのです。

また、取り除くのはもちろんのことその後カビが再発しないようにカビが発生しやすい条件を解消していく必要もあります。

【カビの発生を防ぐために気を付けるポイント】

・湿度を適正に調整する

・温度を25度以下に保つ

・カビの栄養分を除去する

上記の3つのポイントを心がけ、カビが発生しにくい条件を整えていきましょう。カビは一度生えたら再発しやすいので注意しやすいため、あらかじめ生やさないよう気をつける必要があります。

グラニーレ編集部

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